参加者心得

 

はじめに

この参加者心得は、関西ハイク山友会(以下、本会という)で制定しているリーダー心得に対応する参加者のための心得です。
参加者心得作成の狙いは次の2点です。
・例会参加者の主体的意識を育て、自立したハイカーを目指すきっかけとなること
・山行リーダーが例会参加者にアドバイスする際の根拠となること
是非皆さんで活用して頂き、楽しく安全に例会山行を経験して頂くと共に、参加者ご自身のレベルアップに役立てて下さい。

1. 準備編 ~ 例会に参加する前に準備して頂きたいこと~

①自分の体力を客観的に把握しましょう。
会報記載の山行グレードを参照して、ご自分に合った例会から参加し、徐々にレベルアップしてくだ
さい。
山行を始めて間もない方や体力に少し自信がない方は初級向きを、日頃から山歩きをされている方は
一般向きを、長い距離を歩ける方は中級向きを、危険個所の通過にも経験を積まれた方はやや健脚向
きから一番ハードな健脚向きを選択して下さい。

②普段からトレーニングを心がけましょう。
例会のない日でも11時間程度は体を動かし、体調を維持するように心がけましょう。ただ歩くだけ
でなく、無理のない範囲で速歩をはさんだり、スクワットなどの筋力トレーニングにも取り組みまし
ょう。
標高差300m1時間で登れる、標高差400m1時間で下れるというのが、例会山行への参加のひとつの目安となります。

2.申込み編 ~例会に申し込む前に注意して頂きたいこと~

①体調は整っていますか?
希望する山行にふさわしい体力はあるか、もう一度チェックしましょう。
途中でリタイアする恐れがある場合には、申し込みを思い止まりましょう。
ご自分での下調べも入念にし、「連れて行ってもらう」という意識から抜け出し、自立したハイカーを目指しましょう。

②会報の例会山行参加要項に従って、早めに申込みましょう。
メールやFAXの件名には、例会番号を必ず入れましょう。
申込時の記載項目は以下の10項目です。最新の情報を必ず連絡してください。
 山行日、例会名、住所、氏名、会員番号、血液型、電話番号、生年月日、
 緊急時連絡先名・電話番号、加入済傷害保険会社名

③山行の形態によって費用は変わってきます。「全員が同一の負担」が本会の大原則です。

④申込後、不参加の場合は、キャンセル料が発生することがあります。「公平な負担」を維持するために必要なこととご理解ください。

⑤本会の例会はいわゆる商業ツアーではありません。自立した参加者の高い意識と、リーダーや運営委員、事務局員のボランティア精神に支えられている事実を大切にしていきましょう。

3.当日編 ~例会に参加するその日に心がけて頂きたいこと~

①山行参加の日には、ご自宅に行き先やリーダーの携帯電話番号を必ず書き残しておきましょう。

②集合時間に遅れないようにしましょう。遅れそうな場合や急にキャンセルする場合は、携帯電話などを使ってリーダーに必ず連絡しましょう。

③列を乱さないで歩きましょう。
先頭で参加者を案内するコースリーダーの前には絶対に出ないこと、 脇道を歩かないこと、道以外は歩かないことを厳守して下さい。また、最後尾役の後ろにならないように心がけることも大事です。

④参加メンバーが離れてしまうことは事故の原因となるので、前の人との間隔を空けすぎないことを厳守してください。
前の人と離れすぎた場合は、前の方に大声や笛で連絡するなどしてストップをかけて下さい。後続者が離れた場合も同様に、気付いた方が前の方に大声や笛で連絡して下さい。

⑤体調悪化などの場合、無理をせずに早めに申し出てください。
特に熱中症疑いの場合は早めの対処が必要です。

⑥リーダー、サブリーダーは皆さんの安全で楽しい山行をしっかりサポートしますので、信頼して、その指示に従って下さい。また、参加者が互いに助け合い、その経験を通じてそれぞれが自立した山友に育って頂くように応援します。

4.技術編 ~例会で、山歩きしている時に注意すべきこと~

①休憩時など、自主的に地図を広げ、現在地の確認や地形と地図の照合・見える山の同定などをしましょう。それが地図読みのトレーニングとなります。

②岩場では三点確保を守ってください。急なアップダウンの時に、枯れ木や細い立ち木、草などに頼るのは危険です。浮石や濡れた岩、木道、苔むした舗装路、段差などにも注意しましょう。

③ストックを使用する時は不注意で石を落とさないように気を付けましょう。周囲への安全確認・環境保護の意識も忘れずに。

④沢歩きにおいては滑落の危険を伴う危険な高巻きは原則禁止です。堰堤や大滝などで高巻コースが指定されていたり、滝や難所を避ける明瞭な踏み跡がある場合は、リーダーの指示に従って下さい。

⑤本会では初心者パソコン教室を定期的に開催し、地図の読み方やジオグラフィカなどの地図ソフトの使い方などを学習することにより、会員のスキルアップを図っています。積極的に参加し、ご自身の山登りのレベルアップを目指しましょう。

5.事後編 ~例会に参加した後で心がけて頂きたいこと~

①当日、リーダーが人員点呼をし、事故の有無を確認します。諸連絡のあと解散の挨拶がありますから、それまでは勝手に帰らないでください。もし、山行中にけがなどがあれば、必ず解散までに申し出てください。

②今回の山行はご自身のレベルに合っていましたか? 「余裕をもって楽しめたかどうか」がひとつの目安になります。体力・気力の余裕は安全な山行に直結します。

③ぜひ山行の記録をつけましょう。次回の登山の参考になり、仲間にアドバイスする際の資料にもなります。そのためには、山行中に経過時刻などをメモする習慣も必要です。

④下山した時から次の山行は始まっています。筋肉痛があれば、痛みが収まった直後からトレーニングを再開し、次の山行に備えましょう。

⑤山行を重ねれば、ご自身の体力や技術のレベルも分かってきます。今の自分の課題を知り、向上心を持って準備し山を楽しみましょう。その積み重ねが「自立したハイカー」に結び付くのです。充実した山歩きは日常生活も前向きにさせてくれるはずです。

おわりに

本書作成にあたっては、本会の前身の「新ハイキング関西」の時代から大変懇意にして頂いている「新ハイキング」のクラブ機関誌に掲載された「山行に申し込みをされるみなさんへ」という5節からなる冊子を下敷きにさせて頂き、本会固有のことを付記して作成いたしました。
この冊子は、会報にも数回に分けて掲載させて頂いており、ご高配頂いた新ハイキング社に深く感謝いたします。

                                201911月制定
                                関西ハイク山友会 運営委員会